なんだか毎朝スッキリ起きられない。たくさん寝たはずなのに疲れが取れていない。そんな悩みを抱えていませんか?
実は、睡眠時間の長さだけでなく、「眠りの質」が大きく関係しています。眠りの質を上げるためには、特別な道具や難しい知識はいりません。少しずつ、日々の過ごし方や環境を見直すことで、ぐっすり眠れるようになります。

まず意識してほしいのは、夜の時間を“眠る準備の時間”として大切にすることです。私たちの脳は、明るい光や強い刺激によって「まだ活動しなきゃ」と錯覚してしまいます。だからこそ、寝る前の1時間は、スマートフォンやパソコンの使用を控えてみてください。ブルーライトが脳を覚醒させて、寝つきを悪くする原因になります。また、お風呂の入り方にも工夫を。熱すぎるお湯は逆効果。ぬるめのお湯にゆっくり浸かって、リラックスすることが大切です。理想は、寝る90分前までに入浴を済ませること。そうすることで、体の深部体温がゆるやかに下がり、自然な眠気がやってきます。

夜だけでなく、実は朝と昼の過ごし方も、睡眠の質に深く関わっています。朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びてみてください。これだけで、体内時計がリセットされ、夜には眠気を感じやすい体のリズムが整います。日中に軽い運動をするのもおすすめです。たとえば通勤時に一駅分歩くとか、昼休みにストレッチをするだけでも、夜の眠りが深くなりやすくなります。
さらに、食事のタイミングや内容にも注意を払いたいところです。夜遅くに食事をとると、胃が消化活動をしている間は体が休めません。寝る3時間前までには夕食を済ませておくのが理想です。あわせて、カフェインの摂りすぎにも気をつけましょう。午後の遅い時間にコーヒーや紅茶を飲んでいると、思っている以上に眠りに影響しているかもしれません。チョコレートやエナジードリンクなど、意外なところにもカフェインは含まれているので油断できません。

そして、眠る環境そのものも、とても重要です。寝室はできるだけ静かで暗く、心から落ち着ける空間に整えてあげましょう。照明は柔らかい明るさにして、できれば暖色系の間接照明を使うと、自然と眠気が促されます。室温も大切で、夏場は26~28度、冬場は18~22度が快適とされています。また、自分の体に合った枕やマットレスを使っているかも一度見直してみてください。寝具が合わないと、無意識のうちに体に負担がかかり、何度も目が覚めてしまう原因になります。

それでも「どうしても眠れない夜」はあるものです。そんなときは、無理に眠ろうとしなくても大丈夫。焦るほど眠れなくなるものですから、深呼吸をしながら音楽を聴いたり、軽くストレッチをして心と体をゆるめてあげましょう。「眠らなきゃ」と思い詰めるよりも、「まあ、目を閉じているだけでも休息になる」と気楽に構えるほうが、かえって眠気が訪れやすくなります。
睡眠の質は、日々の小さな積み重ねで変わっていきます。ちょっとした工夫が、心と体のコンディションを整える第一歩になるはずです。しっかり眠れるようになると、朝の目覚めが違ってきます。やる気も元気も、自然と戻ってくる。そんな前向きな毎日を、あなた自身のリズムで育てていきませんか?

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