薬膳（やくぜん）とは、中国の伝統医学「中医学」に基づいて、食材や薬草の持つ働きを活かし、体質や季節、体調に合わせて作る料理のことです。「薬」といっても、薬臭い漢方ばかりを使うわけではなく、日常にある野菜や肉、魚などの食材に、身体に良い効能をもたらす組み合わせや調理法を取り入れるのが特徴です。
たとえば、「冷え性の人には身体を温める生姜やシナモン」、「夏バテには気（エネルギー）を補う山芋や鶏肉」など、季節や体の不調に合わせて献立を組み立てます。薬膳の基本的な考え方は「食べ物も薬になる」というもの。だから、未病（病気になってしまう前の不調）を整える手段として、日々の食事を通して体を整えていこうとするのが目的です。
最近では「おしゃれな養生ごはん」や「体にやさしいごはん」としても注目されていて、薬膳カフェや薬膳スープ専門店も増えています。薬膳は特別な人のための食事ではなく、誰でも自分の体調に耳を傾けながら、無理なく取り入れられるライフスタイルのひとつになりつつあります。
薬膳料理とは、中医学（中国の伝統医学）の理論に基づいて、「食材の性質」や「効能」を活かしながら、心と体のバランスを整えるために作られる料理のことです。薬膳＝薬のような料理ではなく、「日常のごはんで体調を整える」という考え方が基本にあります。
例えば、冷えやすい人には身体を温める性質を持つ食材（生姜、ねぎ、シナモンなど）を使ったり、胃腸が弱っているときには消化を助けるもの（山芋、大根、米など）を取り入れたりと、症状や季節、個人の体質に合わせてレシピが組まれます。
使われる食材は、ふだんのスーパーで買えるような野菜・肉・魚に、時々漢方食材（なつめ、クコの実、陳皮など）を加える程度なので、難しく考える必要はありません。「食べることで、薬のように自然に整う」のが薬膳料理の魅力です。
たとえば──
・夏バテには「苦瓜と豆腐の炒めもの」→苦味で余分な熱を冷まし、豆腐で潤いをプラス
・生理前のイライラには「黒きくらげと豚肉の炒め物」→血を補い、巡りを良くする
こういったメニューも、立派な薬膳料理。
「特別な食事」ではなく、「気づかいのあるごはん」として、毎日の献立に取り入れることができます。
アーユルヴェーダとは、インド発祥の伝統医学で、「生命（アーユス）の科学（ヴェーダ）」という意味を持つ、サンスクリット語の言葉です。約5,000年の歴史があり、現在もインドを中心に、世界中で広く取り入れられている「心と体、そして魂を整えるための生活の知恵」と言えます。
アーユルヴェーダの特徴は、「人それぞれに合った健康法を見つけること」にあります。私たちの体質や性格は、生まれつき備わっている3つのエネルギー（ドーシャ）――ヴァータ（風）、ピッタ（火）、カパ（水）――のバランスによって決まるとされます。
このドーシャのバランスが崩れると、体や心に不調が現れると考えられていて、そのバランスを整えるために、食事、運動、呼吸法、オイルマッサージ、瞑想、ハーブ療法など、生活のあらゆる面からアプローチするのがアーユルヴェーダです。
たとえば──
・ヴァータ体質（冷えやすく不安定）→温かいスープやオイルケアで落ち着きを与える
・ピッタ体質（怒りっぽく暑がり）→冷たい食べ物や自然との触れ合いでクールダウン
・カパ体質（太りやすく怠けがち）→軽めの食事や適度な運動で刺激を与える
アーユルヴェーダは、「こうすれば誰にでも効く」という万能薬ではなく、「あなたに合った生き方」を大切にする哲学です。
つまり、「自分を知って、自分にやさしく生きる」ためのヒントが詰まった、深くて柔らかい伝統医学ともいえるでしょう。
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