これまで退職代行の金額について書きました。
また、代表とされる退職代行サービス、モームリについても書きました。
退職代行は便利なサービスですが、利用することに抵抗を感じる方は少なくありません。それは、会社や同僚に迷惑をかけてしまうのではないか、後ろめたい気持ちになる、直接話して円満に退職すべきではないか、といった様々な感情が入り混じっているからだと思います。
しかし、退職代行は、法的に認められた合法的なサービスです。会社によっては、退職を申し出ても引き止められたり、威圧的な態度をとられたり、嫌がらせをされたりするケースも少なくありません。そうした状況で、自分を守るためのひとつの選択肢として、退職代行の利用を検討する方も増えています。
退職代行を使わない選択肢
退職代行を利用することにどうしても抵抗がある場合は、まず、自分で会社に退職の意思を伝える方法を検討してみましょう。
- 退職届・退職願を提出する: 法律上、期間の定めのない雇用の場合、退職日の2週間前までに退職の意思を伝えれば、会社が承諾しなくても退職は成立します。可能であれば、退職届や退職願を郵送で送ることで、会社と直接話すストレスを軽減できます。
- 内容証明郵便を利用する: 退職届を内容証明郵便で送ることで、いつ、どのような内容の文書を、誰に送ったかを公的に証明できます。これにより、会社側から「退職の意思を伝えられていない」と言われるのを防ぐことができます。
- 直接の上司ではなく、さらに上の上司や人事部に相談する: 直属の上司に話しにくい場合は、より役職が上の上司や、人事部に相談するのも有効です。
退職代行を検討するメリット
一方で、退職代行を利用することには、以下のようなメリットがあります。
- 精神的な負担の軽減: 会社と直接話すことのストレスやプレッシャーから解放されます。
- 即日退職が可能: 会社に退職の意思を伝えた当日から出社する必要がなくなるケースがほとんどです。
- 交渉の代行: 未払い給与や有給休暇の消化、退職金の交渉なども代行してくれます（ただし、交渉は弁護士資格を持つ業者のみが行えます）。
もし、ご自身の状況が「退職を申し出ても引き止められる」「精神的に限界で、もう会社に行きたくない」といった状況であれば、退職代行は自分を守るための有効な手段となり得ます。
退職代行のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
1. 精神的負担の軽減
- 会社と直接話すストレスからの解放: 退職の意思を伝えること、引き止められること、嫌味を言われることなど、会社とのやり取りから生じる精神的なストレスを回避できます。
- 即日退職が可能: 業者に依頼したその日から、会社に出社する必要がなくなるケースがほとんどです。
2. スムーズな退職
- 交渉のプロが代行: 会社が退職を拒否したり、連絡を無視したりするなどのトラブルが起きても、退職代行業者や弁護士が法的な根拠に基づいて対応してくれます。
- 有給休暇や未払い賃金の交渉: サービスによっては、有給休暇の消化や未払い賃金、残業代の請求交渉を代行してくれます。ただし、交渉は弁護士資格を持つ業者のみが行えます。
3. 手間と時間の節約
- 退職手続きが簡略化: 退職届の提出や備品返却など、会社とのやり取りを代行してくれるため、自分で手続きを進める手間が省けます。
- 次の仕事への準備に集中できる: 退職に関するストレスや手続きから解放されるため、転職活動や休息に時間を使えます。
デメリット
1. 費用がかかる
- サービス利用料: 一般的に、退職代行の費用は2万円〜5万円程度が相場です。弁護士が運営するサービスは、交渉も可能であるため、料金が高くなる傾向があります。
2. 会社や同僚との関係が悪化する可能性
- 人間関係の悪化: 直接顔を合わせずに退職するため、会社や同僚から「無責任だ」「非常識だ」と見なされ、関係が悪化する可能性があります。
- 引き継ぎが不十分になる: 責任感がある人ほど、引き継ぎが不十分になることに罪悪感を感じることがあります。
3. 悪質な業者によるトラブル
- 追加料金の請求: 最初は安価な料金を提示しておきながら、後から様々な名目で追加料金を請求してくる悪質な業者が存在します。
- 法的トラブル: 弁護士資格を持たない業者が交渉を行うことは非弁行為にあたり、違法です。未払い給与の交渉などが必要な場合は、必ず弁護士が運営するサービスを選びましょう。
4. 後ろめたい気持ちが残る場合も
- 罪悪感: 会社や同僚に迷惑をかけてしまうのではないか、という罪悪感が残ることがあります。
まとめ
退職代行は、精神的な限界に達している方、会社が退職に応じてくれない方、即日退職したい方にとって非常に有効なサービスです。
一方で、費用をかけたくない方や、会社との人間関係を円満に終えたい方にとってはデメリットが大きく感じられるかもしれません。
ご自身の状況に合わせて、メリットとデメリットを比較検討し、利用するかどうかを判断することが重要です。
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