朝起きても体が重い。
休日にゆっくり寝たのに、疲れが抜けない。
そんな「慢性的な疲れ」を感じている女性は、実はとても多いんです。
40代は、女性の体が大きく変化する時期。ホルモンバランス、自律神経、筋肉量、代謝、睡眠の質など、あらゆる要素が同時に揺らぎ始めます。
「年齢のせい」と片づけてしまう前に、医学的な視点から原因を整理して、体の回復力を取り戻す方法を見ていきましょう。
疲れが取れないのは「エネルギーを作る力」が落ちているから
人の体は、食事から摂った栄養をもとに「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーを作り出しています。
ところが40代になると、このATPを作る代謝機能が少しずつ低下していきます。
とくにビタミンB群、鉄、マグネシウム、コエンザイムQ10などが不足すると、いくら寝ても疲労物質が分解されず、だるさが続きやすくなります。
疲労回復を促すには、
・豚肉や卵、納豆などのビタミンB群
・魚介やレバーなどの鉄分
・ナッツや海藻類に多いマグネシウム
・サーモンやイワシに含まれるコエンザイムQ10
を意識的に摂るのがおすすめです。
「睡眠の質」が落ちている人は、自律神経を整えることから
「7時間寝ているのにスッキリしない」という場合、睡眠時間ではなく「眠りの深さ」に問題があることが多いです。
40代女性は更年期に入る前後で、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下します。これが自律神経の乱れを引き起こし、体温調節や睡眠リズムを崩す要因になります。
眠りを深くするためには、
・寝る90分前にぬるめ(38〜40℃)の湯船に浸かる
・スマホやPCのブルーライトを避ける
・寝室の照明を暖色にする
・朝、起きたらカーテンを開けて光を浴びる
この4つを習慣化するだけで、自律神経のバランスが整い、眠りの質が改善します。
疲労が取れない原因は「心の緊張」にあることも
40代になると、仕事・家庭・親の介護・更年期の兆候など、心のストレスが重なりやすくなります。
ストレスは交感神経を優位にし、筋肉を緊張させ、血流を悪くします。これが“体の疲れ”として現れるんです。
ストレス性の疲労は、「休んでも回復しない」のが特徴。
そういうときは「リラックスする時間を作る」よりも、「安心できる時間を作る」方が大事です。
温かい飲み物をゆっくり味わう、散歩中に空を見上げる、短時間でも好きな音楽を聴く──。
脳が「安全だ」と感じる瞬間が、回復のスイッチを押してくれます。
更年期・ホルモンバランスの乱れが関係している場合
もし「疲れ」だけでなく、
・朝から体がだるい
・イライラや気分の落ち込みがある
・肩こりやめまい、のぼせが続く
といった症状がある場合は、ホルモンバランスの乱れによる自律神経の不調の可能性があります。
この場合、無理に「気合い」で乗り切ろうとせず、婦人科でホルモンバランスをチェックしてもらうのがおすすめです。
漢方薬(加味逍遙散など)やサプリメントでサポートするだけでも、体の回復力が変わります。
今日からできる、疲れを溜めない体づくり
疲労は「溜めてから取る」よりも「溜めない習慣」を身につけた方が圧倒的に楽です。
たとえば──
・朝食を抜かず、タンパク質をしっかり摂る
・仕事中に1時間に1回は立ち上がる
・休日に“予定を詰めすぎない”
・夜は“眠くなってから寝る”
体のリズムを整えることが、最大の疲労回復法です。
がんばることを手放して、自分のペースを取り戻すことが、結果的に「エネルギーを生む力」につながります。
まとめ:疲れが取れないときは、「自分を責めず、仕組みを見直す」
疲れが取れないのは、あなたが弱くなったからではなく、体の仕組みが変化しているからです。
40代の女性にとって、“無理を減らすこと”こそが、最も効果的なセルフケアです。
休むことは、怠けることではありません。
体を回復させる時間を「未来の自分のための投資」として、ぜひ意識的に取ってください。
少しずつ整えていけば、ちゃんと元気は戻ってきます。

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